アグリテック甲子園レポート2023
2024年1月21日(日)にアクリエひめじにてアグリテック甲子園2023が開催され、兵庫県内の学校4チームと、宮城県や大分県等のチームあわせて合計7チームがアイデア発表プレゼンを発表してくれました。
最優秀賞は「宮城県加美農業高等学校」が受賞!
当日のレポートを是非ご覧ください。
タイムスケジュール
第1部(13:00~14:05)
13:00 オープニング
13:05 特別講演
早稲田大学理工学術院総合研究所
研究院講師 大谷 拓也 様
13:50 姫路市 スマート市民農園事業 事例発表
14:05 第1部終了
第2部(14:35~18:00)
14:20 オープニング
14:25 姫路市長よりご挨拶
14:30 審査員紹介・審査員長よりご挨拶
14:40 アイデア発表プレゼン(途中休憩あり)
17:15 審査結果発表
17:55 講評・閉会・記念撮影
18:00 第2部終了
アグリテック2023 アーカイブ動画
2024年1月21日(日)に開催されたアグリテック甲子園2023の本選の様子が、アーカイブ動画でご覧いただけます。
イベントレポート
特別講演 早稲田大学理工学術院総合研究所 研究員講師 大谷拓也氏
講演では、早稲田大学理工学術院総合研究所 研究員講師 大谷拓也様に登壇いただきました。
現在開発・研究をされている農業用支援ロボットについて動画や画像を用いながら参加学生と一般観覧者に向けて講演していただきました。
植物密生地での種植え・雑草剪定・収穫までが1台で可能なロボットを開発することによって、協生農業などにおいて作業者の負担軽減を行えるなど新しい農業の発展につながっていきます。
本講演によって、審査基準である「テクノロジー」によってスマート農業が促進され、農業の発展につながっているかを学ぶ機会となりました。
事例発表 姫路市スマート市民農園事業 有末翔太様
姫路市が実施しているスマート市民農園事業の事例発表として、スマート市民農園サービスの実証実験に参加されている有末様に登壇いただきました。Farm Bot(農業用ロボット)を遠隔操作して野菜作りをされた経験として、失敗を糧に少しずつ改善・改良していくことで段々品質の良い野菜が作れるようになったという発表は、学生の皆さんも非常に興味深い様子でした。「今後Farm Botの部品を開発・改良して今以上に遠隔で操作できることを増やしたい。農業経験のない方でも楽しく農業をできるようにしたい。」と今後の抱負も語られ、今後新たな農業が切り開かれる可能性を感じました。
アイデア発表プレゼン
メインプログラムであるアイデア発表プレゼン。今年は宮城県や大分県など、遠方からも現地参加していただき、計7チームにアイデアをして頂きました!
東洋大学附属姫路高等学校
「小規模農家により良いAI技術を」
兵庫県立飾磨工業高等学校
「廃校で農業をしよう」
国立大学法人 東北大学
「有機農家専用プラットホームアプリで持続可能な地域社会を」
兵庫県立姫路工業高等学校
「農家とこども食堂をつなぐアプリ」
兵庫県立大学大学院
「AIによる農作物ブランド化サポートアプリ
~農作物の価格向上に向けて~」
宮城県加美農業高等学校
「地域と連携した獣害対策」
大分県立大分東高等学校
「農業DXへの挑戦
~AIディープラーニングによる
いちごの品質判定~」
審査員からは内容に関する質問だけでなく、実際にビジネスとして成立させるための鋭い質問もあり、学生たちが今後もアイデアをさらにブラッシュアップできる機会になりました。
審査結果
7チームすべての発表が終わると、会場は少し長めの休憩に入りました。
休憩中には、学生たちとの座談会を行いました。本番とは違いリラックスした様子で、質問に答えていました。
その間に審査員の方々は別室で協議。各賞を決めるために時間いっぱいまで白熱した議論が交わされていました。厳正なる審査の結果、アグリテック甲子園2023最優秀賞は、「宮城県加美農業高等学校」に輝きました!
その他企業賞を含め、結果をご紹介します。
最優秀賞
宮城県加美農業高等学校
「地域と連携した獣害対策」
優秀賞
大分県立大分東高等学校
「農業DXへの挑戦
~AIディープラーニングによる
いちごの品質判定~」
テクノロジー賞
宮城県加美農業高等学校
「地域と連携した獣害対策」
TOWING賞
国立大学法人 東北大学
「有機農家専用プラットホームアプリで持続可能な地域社会を」
野村アグリプランニング&
アドバイザリー賞
兵庫県立大学大学院
「AIによる農作物ブランド化
サポートアプリ
~農作物の価格向上に向けて~」
姫路市賞
東洋大学附属姫路高等学校
「小規模農家により良いAI技術を」
展示ブース
会場では、協力企業や大学等による農業関連の製品やサービス、開発研究の取り組みなどの展示をいただきました。実際に見たり、体験したりすることにより、新しい発見や様々な人と交流できる機会となりました。
天候や作物の生育状況、病害虫等の分析に使えるデータを収集し、最適な栽培環境に導くための判断を支援する農業AIブレーン「e-kakashi」は、スマート市民農園事業の実証実験でも活用
姫路市立書写養護学校
Farm Botを活用したSTEAM教育の取り組みを紹介
(実際に収穫した野菜に付加価値をつけた販売を目指す取り組み)
姫路市(受託者 株式会社プロキッズ)
「未来の農業ロボットアイディアコンテスト2023」受賞作品
全国の小中学生が、農業が抱える課題を解決する未来の農業のアイディアを考え、絵と文章で発表するコンテストの受賞作品の展示
旭テクノロジー
農薬散布の新時代「完全自動ドローンEA16」の紹介
早稲田大学 理工学術院
協生農法向け農業ロボットの紹介
農作業が困難な地域でも効率的に農業を進めることができる農作業支援ロボット「協生農法(TM)向け農業ロボット」の説明
兵庫県立大学
カモミール収穫ロボットの紹介
カモミール自動収穫ロボット紹介とロボットを実際に動かす様子
さとゆめ
コミュニケーションロボット「unibo」の紹介
人材不足の解消や業務の省人化の貢献をもたらすコミュニケーションロボット「unibo」の紹介
東京大学大学院農学生命科学研究科
スマート農業のためのセンシング技術の紹介
ドローンで畑の様子を撮影し、規格外野菜の量等をAIで自動計測することで、最適な収穫日を推定することができるセンシング装置の紹介
社会福祉法人檸檬会
ラジコン式草刈機「spider(スパイダー)」の紹介
ラジコン式草刈り機「spider(スパイダー)」での草刈り作業の効率化と安全性の確保について説明している様子
出場者・観覧者からの感想
出場者たちは書類選考通過後、メンタリングサポートを受け、アイデアをブラッシュアップさせてきました。練習を重ね本番に挑んだ出場者の方々から頂いた感想を一部紹介します。
出場者の声
良い面も、悪い面も、たくさんのご意見を言っていただいて、今後も活かしていきたいです。ありがとうございました。
大勢の前で発表するのは社会人になってもなかなかないのでいろいろな経験をしたい人に勧めてみたいと思います。
農業などにあまり興味がなかったですが、今回のアグリテック甲子園を通して農業に興味を持つことができました。
観覧者の声
次に、観覧者の方々からの感想を一部紹介します。
学生、高校生が現場の課題に真剣に向き合っており大変感動しました。
Eさん
各チーム色々な視点からのアプローチがあり、様々なコンセプトのアイデアがあり、とても面白かったです。想像していたよりもレベルの高いプレゼンで勉強になりました。
上記の感想以外にも多数感想を頂いております。アンケートにご協力いただき、誠にありがとうございました。
レポート作成について
アグリテック甲子園2023のインターン生として、約半年間、企画・運営・PRに携わりました。
このアグリテック甲子園を通してたくさんの人と共に農業の未来を考え、また新しい農業についても理解を深めることが出来ました。
高校生や大学生など、若い世代にもアグリテックに興味を持っていただくことが出来て、嬉しく思っています。
来年もたくさんの学生の皆さんがアグリテック甲子園に参加し、アグリテックに触れていただけることを願っています。
レポート作成者:
アグリテック甲子園2023 インターン生
左から、青田さん・近藤さん・ペパー福井さん
アグリテック甲子園2023を終えて
アグリテック甲子園も今年度で3回目の開催となりました。今年度は7チーム中6チームに現地参加いただき、北は宮城県、南は大分県からはるばる本市にお越しくださり、会場であるアクリエひめじの大スクリーンの前で堂々と発表される皆さんのプレゼンを拝聴することができ、誠に喜ばしい限りでした。
テクノロジーを駆使し農業が抱える課題解決に向けて皆さんが熟考されたアイデアは、主体性、想像力にあふれ、主催者である本市にとっても感銘を受けるのと同時に、農業とテクノロジーの可能性を大いに感じることが出来ました。
出場いただいた学生には、この大会を来年も受け継いでいただけることを願っております。
次回は、令和7年1月に開催を予定しております。
来年度も多くの学生の皆さんに参加していただけることを楽しみに、準備を進めてまいります。
姫路市農政総務課